昨日の味噌汁、今日の味噌汁
昨日はなすと油揚げ
今日は豆腐とわかめ
まずは実家の食卓からお味噌汁が消えた日について。
私が子供の頃は普通にお味噌汁が並んでいました。
インスタントではなく、鰹節と昆布でとった出汁で具を煮て味噌を溶いたスープです。
正直、当時の私はお味噌汁の暖かさも旨味も何もわかっていませんでした。
地味な具が浮かんだ冴えない色の汁としか認識しておらず、無感情に消化管に流し込んでいました。まさに消化試合です。
ある日、普段より強く舌のNaチャネルが活性化するのを感じて、今日の味噌汁おいしいね!と言ったところ、他の家族からも大絶賛でした。
すると、これインスタントなんだけどね・・・と母がぽろり。
この日を境に手作り味噌汁が食卓に並ぶ事は無くなりました。
それから数年経ち、一人暮らしをするようになって、インスタント味噌汁すら食べなくなったのですが、ふと出汁をとった後に鍋から引き上げられた昆布や鰹節を思い出してノスタルジーを感じ、出汁をとってみたいと思うようになったのが始まりでした。
で、出汁をとったからには何かに使わねば・・・となり、一番ハードルの低そうなお味噌汁に白羽の矢が立ちました。
幼い頃は味なんてほぼ意識せずに飲んでいたお味噌汁でしたが、自分で作ったものを飲んでみたらなんだか懐かしい味がするような気がして、私の中で新たなお味噌汁時代が幕を開けたのでした。
おしまい。